20世紀を締めくくる月としてはまあまあのラインナップ．期待したビッグヴィンテージのコシュ・デュリがイマイチで，この造り手には外れてばかり．真価はいつわかるのやら？一方で噂通り93のDugatは素晴らしかったです．今月のベスト3と今年のまとめとしての「年間ベスト3」！
産地：ボルドー，ポムロル 飲んだ場所：自宅，00.12.25 コメント；さすが優れたミレジムの，素晴らしいポムロルだ．おいしさを保ちながらうまく円熟している．外観はほぼレンガ色．澱も多い．黒豆を煮たシロップのような煮詰めた甘い香りを中心に，プラムのジャムやコンポート，ブラックベリー，フルーツケーキ，乳酸香，ローストした肉の香りなど芳しく，わずかに枯葉や土の香りもある．味は非常に滑らか，まろやかで，アタックは中程度．コクや甘み，酸，アルコールのバランスはいいが，極上のポムロルに比べてやや希薄な感じ（水っぽいというよりは単純さ）もある．パーカーのボルドー第３版では96点だったのが最近の見直しで92点に落ちたのも，そろそろ下り坂に入ったことを示唆しているのか？余韻は長く，樽香が心地よく残る．ミシェル・ロランの哲学が発揮されている１本だ． |
産地：ブルゴーニュ 飲んだ場所：Paul，00.12.17 コメント；まだ舌にピリピリくるアルコールとタンニンがあり，色調もわずかに紫が残っていると思われるほど濃いルビーガーネットで，若々しい．香りはDugatらしく，プラムのコンポートやブルーベリー，ブラックベリーなど濃い果実香が中心で，少々の乳酸に心地よい樽香．味はアタック強いが滑らかで，時間とともにピリピリしたアルコールやタンニンも消えていき，非常にバランスがいい．アフターにも心地よいヴァニリンオークが残る．確かに本人の言う通り良いミレジムだったのであろう．まだまだこの先の熟成が楽しみだ． |
産地：ブルゴーニュ 飲んだ場所：シェ・イノ，00.12.11 コメント；以前フルボトルを飲んで感激したが，やはりこれも秀逸だった．シェ・イノのリストでハーフの赤にいいのがなかったので，ソムリエの伊東氏にお勧めを尋ねると「95のペデスクロー（ポイヤック）」との答え．でもまだ若くて飲み頃じゃないだろうと思って「いやあ，渋いのはちょっと…」と言ったら「ではこれが」と勧めてくれたのが前飲んだことあったこれ．不思議と好みが一致したというか，やっぱりウマいものは美味い！香りはベリーの濃く甘い香りや程々の樽香，少々の熟成したチーズ香，乳酸香などがよくまとまっている．以前飲んだフルボトルよりはやや熟成が進んでいるようだ．味は果実味にあふれ，酸とアルコールのバランスよく，タンニンも滑らかにこなれている．ハーフなのでやや落ちていくのが早く感じたが，今飲んで美味しい１本だ． |
00年12月に飲んだワイン23本（種）
年，短評（値段vs内容）；◎素晴しい ◯なかなか △いまいち ×ひどい，もうごめん
△90 ムルソー，J.F.Coche-Dury…酸と樽香が過剰
○92 シャトー・アンジェリュス
△00 ボジョレ・ヌーヴォー，キュヴェ・トラディション，Paul Sapin
○90 ブルゴーニュ，ルノメ，Remoissenet
◎89 ルイーズ・ポメリー
◎96 シャンボル・ミュジニィ，Comte de Vogue（ハーフボトル）
△97 サン・ジュリアン，タイユヴァン・セレクション（瓶詰Lalande）
◎88 ヴォーヌ・ロマネ，オー・ブリュレ，Meo-Camuzet
◎92 コルトン・シャルルマーニュ，Faiveley
○88 クロ・サン・ドニ，Dujac
×NV ポメリー，アパナージュ…人工的な妙な苦味
△NV ギィ・ジャコバン（シャンパーニュ）
○88 ムルソー・シャルム，Comte Lafon
△97 フォジェール，ロゼ
◎93 ジヴリ・シャンベルタン，Claude Dugat
○97 シャルム・シャンベルタン，Nicolas Potel
△83 シャトー・ラフルール
○92 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ，Pierre Damoy
△97 シャブリ，F. Goulley（ハーフボトル）
○93 ヴーヴ・クリコ，ロゼ
◎82 シャトー・ル・ボン・パストゥール
◎98 エール・ダルジャン
○NV バンロック・ステーション，シャルドネ（スパークリング，オーストラリア）
そして００年の年間ベスト３は…
（各月のベスト３は各月のコメントを参照してください）
その中からの栄えあるベスト３は
３．'73 モンラッシェ，DRC（1月）
となりました．総計393本からのベスト３でした．今年も数々の素晴らしいワインに出会い，ヴァカンスのブルゴーニュでは造り手の情熱や純朴さに感激し，健康も壊さず，いいワインライフでした．