99年2月に飲んだワイン,月間ベスト3!

 今月は水戸の泉町にあるNAO'S BARで良いワインに出会うことが出来ました(けっこう入り浸たっている,という話もある?). 今月は期せずして,ボルドーの銘醸とブルゴーニュのコート・ドールを代表するワインがベスト3になりました.

第1位:シャトー・シュヴァル・ブラン,78年
産地:ボルドー,サン・テミリオン
飲んだ場所:NAO'S BARでのワイン会,99.2.21

コメント:NAO'S BARでのワイン会,2月のテーマは78年のシュヴァル・ブランとオーゾンヌの対決!これは明らかにシュヴァル・ブランに軍配.好みもあると思うが,この艶やかさや香りの広がりはオーゾンヌには得られないものだったことは確か.外観は輝くルビー色.熟成に伴い,澱を落とし宝石のように明るく輝くのは良い年の良い出来のワインの特長.ベリー系のジャムの如く甘い果実の香りに,熟成した肉を思わせる乳酸くささ,枯れ葉の香りも混じって,十分に豊潤な仕上がり.一言でいうとグラマラス!オーゾンヌと比べるとはるかに豊かに広がる香り.味もアタックの甘さが際立ち,ボディの強さや酸,タンニンのバランスが非常に良く,まだ若干の若さも感じられるほどだった.これは素晴しい!の一言に尽きる.アフターに果実の香りが長い.飲むことができて幸せだった,と思わせてくれたワイン.

第2位:シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ,81年
産地:ボルドー,サン・ジュリアン
飲んだ場所:NAO'S BARでのワイン会に持ち込み,99.2.21

コメント:パーカーが100点をつけた82の陰に隠れるようになってしまっているが,81もなかなかの良い出来だった.ロンドンのBerry-bros.から取り寄せたもので,ショルダーも下がっておらず,澱も適度で貯蔵状態は良い.外観は明るく輝くルビー色でやや明るめ.香りは81ながら甘い果実香にスパイス,モカ,少し枯れ葉の香り.味はまだ若さがあって素晴しいバランス.アタック強く甘く,続くボディや酸も十分力強い.タンニンも思ったより多めだがよく調和している.アフターがやや短いのはヴィンテージのせいか.しかしながら十分楽しめた.値段も安く(送料,税金をいれて¥12000ほど),コストパフォーマンスも良かった.

第3位:ムルソー,ペリエール,90年
産地:ブルゴーニュ,コート・ド・ボーヌ,Albert Grivault
飲んだ場所:自宅,99.2.25

コメント:これぞムルソー!と納得させてくれたワイン.良い年に良い造り手が手懸けると,ただのムルソーでもこれほどの良いものが出来ることを実証してくれたワイン.とにかく素晴しい出来と熟成.外観は黄金色にわずかな茶色.トケイ(アルザス)のvieilles vignesにも匹敵する濃い色.香りは複雑で,甘い果実すなわちゴールデンデリシャスの蜜もあれば,白いキノコやバタークリームなども香り,焼いた蜂蜜の香りも少々ある.多様な香りがするのがムルソーの特徴だが,まさにその通り!全体には完熟系で,濃縮感がすごい.味はわりと爽やか,さっぱり.外観から想像される甘みは少ない.果実味に適度の酸,後口にわずかの苦み(シャルドネ独特).これには脱帽でした.さすがグリヴォー.土浦鈴木屋で手に入れました,深謝./3月に同じくグリヴォーのムルソー・クロ・ド・ペリエール,90年を飲みましたが,これまた素晴しかったです.3月のベストに入ることでしょう.

次点:ニュイ・サン・ジョルジュ,ル・ミュルジュ(1er cru),89年
産地:ブルゴーニュ,コート・ド・ニュイ,Alain Hudelot-Noellat
飲んだ場所:NAO'S BARでのワイン会持ち込み,99.2.9

コメント:ミュール(ブラックベリー)が植えられていた畑から付いた名.この畑はニュイの中でも北側に位置し,ロマネ村のワインに近いと云われる.これも素晴しかった.外観は明るく輝くルビー色.香りはベリー系のジャムのような甘い果実香が主体で,少々の動物香に肉の香り.ニュイの特徴である土の匂いはわずか.味はアタック甘く,ボディの強さや酸味とのバランスが素晴しい.ワインをあまり飲めない人達も「おいしい!」といって飲んでいた.アフターに果実の香りが長く残った.89で¥5950ならお買い得!これも鈴木屋に感謝.

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