04年第1四半期に飲んだワイン,ベスト3

 今年も美味いワインを掘り出すぞ!と意気込んでいろいろと飲んでいます.有名,高いものからデイリーワインまで….またこの時期は花粉症とも重なり毎年辛いところですが,今年は少し楽だったかな?ドーヴネ,デュガ垂直,ニュージー,64GPL,新世界と世界中バラエティに富んだワインを味わうチャンスが多かった四半期でした.特にの3月の「花粉症をブッとばせワイン会」では世界各国の素晴らしいものを味あわせてもらいましたが,やはり上位に来るのは馴れ親しんだフランスものになってしまいます.

第1位:'82 シャトー・デュクリュ・ボーカイユ

産地:ボルドー,サン・ジュリアン

飲んだ場所:ポール,04.1.30

コメント;このシャトーの真髄を見た!実に柔和なボルドーワイン.今までタンニンが固く,まだ飲み頃ではないとされていたが,パーカーのボルドー第4版で完熟のプラトーに達し95点に上がったのを機に開けてみた(ちなみに1ケース入手).外観は濃いルビーガーネットで,まだわずかに紫が残るか?
 香りは82らしく果実香が主体.完熟カシスのジャムと同等にベリーやプラムもあり,乳酸,ユーカリの葉,新革,コーヒーなど.カベルネにしても甘さを連想させる香りで,ポイヤックのようなスパイシーさは少なく西洋杉やpencil leedがわずかに嗅ぎとれる程度.サンジュリアンの長所は果実香主体のバランスの良さだが,それが十分発揮されている.香り全体がよくまとまって,強烈ではないが上品に香っている.
 味が秀逸!拍子抜けするくらい優しい!アルコール12%だし,最近の強烈なものを想像してはいけないのだろう.実に果実味あふれ,過熟ではなく完熟の果実を詰め込んだ出来.酸はやや緩い.タンニンはかなり緻密で滑らか.タンニン量はかなり多いだろうが,それを感じさせないくらい果実味が多い.全体のバランスが絶妙で,なんとも美味なデュクリュだ.かつて垂直テイスティングもやったが,これほどバランスよく,自然体で,優しく穏やか,美味なデュクリュに出会ったことはなかった.滋味深いワイン.同じく82のラランドのように優しく完全な出来.肩の力が抜けた素晴らしい造り.目からウロコのデュクリュ.まさに美しい小石のシャトー!

第2位:'88 サロン(マグナム)

産地:シャンパーニュ

飲んだ場所:友人宅,04.3.28

コメント;素晴らしいシャンパーニュ,やはりマグナムはいい!熟成がいい方向に働いている.88サロンは何回か飲んでいるが,これほどふくよかでよい熟成をしているものには出会ったことがない.完熟の黄金色の外観.肌理細かい泡立ちが実に美しい.香りはリンゴのジャムやコンポート,洋梨のタルト,バター(本当にバターっぽい)にクロワッサン,ビスケット(クリスピー)など.ブラン・ド・ブランとしてはずいぶんふくよかな厚みのある香りだ.95がまるでレモネードだったのとは月とスッポン.ヒネ香は少なく,熟成に伴う香りがジャムやコンポートのように感じるのであろう.
 味も素晴らしくふくよかで,果実味が広がり酸がキツすぎず,サロンにしては肩幅の広い,余裕を感じさせる味.泡も細かく,味を一層柔らかにしている.翌日,泡が完全に抜けたものも実に美味しいシャルドネだった.貫禄や余裕を感じさせるのはやはりマグナムのせいであろう.シャンパーニュを熟成させるにはマグナムが理想ということでしょう.

第3位:'02 マコン・ヴェルジッソン,ラ・ロシュ,Verget

産地:ブルゴーニュ,マコン

飲んだ場所:自宅,04.1.16

コメント;これまた素晴らしい02Verget!マコン・ブルジがかなりエキゾチック,トロピカルな仕上がりだったのに対して,これはブルゴーニュらしいニュアンスを伴った完熟のシャルドネだ.しかも上質なシャンパーニュの香りもする!
 外観は明るい黄金色にわずかの緑.香りは洋梨のジャムやパイ!,黄りんごの蜜に,シャンパーニュのピノ多めなブレンドで出るアップルジュース香やビスケット,クッキーなどのクリスピーな香ばしさ,乳酸やヴァニラなど,実に芳しい.マコン・ブルジにもソテーしたような甘い焦がした香りがあったので,南の方(マコン)ではよく熟すとこういう香りが出るのか?さらに土壌が石灰質ならばミネラル香と合わさってクリスピーな香ばしさとなるのかもしれない(シャンパーニュ地方同様).
 やまやで3本5,000円=1本1,666円とコストパフォーマンスは最高!味は果実味豊かでシャンパーニュよりは酸がゆるいが,アルコールとのバランスよく,実に美味な白.こういうシャルドネは何本でも買っておきたい!やはり02のVergetは素晴らしい出来.Bravo!


04年第1四半期に飲んだワイン51本(種)

年,短評(値段vs内容);◎素晴しい ◯なかなか △いまいち ×ひどい,もうごめん
赤字は印象に残ったもの,または珍品

◎02 マコン・ブルジ,アン・シャトレーヌ,Verget;完熟のシャルドネ,トロピカル!
○95 ローラン・ペリエ,Brut;キリッと美味なシャンパーニュ
○02 ブラック・タワー(ドイツ);良く冷やすと美味
○00 シャトー・ド・フラン(ボルドー,コート・ド・フラン);滑らかで飲みやすい
○00 モレ・サン・ドニ,Dujac F&P;ネゴシアンもの,Dujacにしては濃い,香りよし
◎02 マコン・ヴェルジッソン,ラ・ロシュ,Verget;上質なシャンパーニュにも似た香り(ベスト3)
○NV ダビッド・ルクラパール(シャンパーニュ);ビオのシャンパーニュ,優しい味
○81 ピュリニー・モンラッシェ,ルフェール,L.Jadot;味わいは素晴らしいが香り立たず
○90 シャトー・デュクリュ・ボーカイユ;奇跡的にブショネなし,優しい仕上がり
◎97 ボンヌ・マール,d'Auvenay;Leroyの双子,素晴らしいピノ,ゴチです
○86 ラ・ターシュ;残念ながら下り坂に入った,ドライになって来ている
◎90 ラ・グラン・ダーム;蜂蜜系が出ており,素晴らしいプレステージ・キュヴェ
◎00 シャサーニュ・モンラッシェ,マルトロワ,B.Morey;予想通りの素晴らしさ,上品
☆82 シャトー・デュクリュ・ボーカイユ;このシャトーの真髄!目からウロコ(ベスト1)
○NV ジャック・ピカール(シャンパーニュ);すっきりさっぱり,ピノ系
◎02 マコン・ヴェルジッソン,ラ・ロシュ,Verget;よく調和した素晴らしい出来,再び
△98 ボーヌ1er,Domaine des Clos;よくある大量生産系ピノ
◎88 リュイナール,ロゼ;アプリコットや蜂蜜を思わせる香り,ロゼとして美味
○02 トレヴァー・ジョーンズ,ヴァージン・シャルドネ(オーストラリア);ハイ・コスト・パフォーマー
◎99 ジヴリ・シャンベルタン,Claude Dugat;美味だがまだ落ち着いていない
△98 ジヴリ・シャンベルタン,Claude Dugat;果実が抜けてDry Out
◎97 ジヴリ・シャンベルタン,Claude Dugat;思いがけず美味,バランスいい,今飲み頃
○96 ジヴリ・シャンベルタン,Claude Dugat;果実が抜けて来ており魅力減少
○93 ジヴリ・シャンベルタン,Claude Dugat;ドライフルーツ,タンニンばかり
◎85 マール・ド・ブルゴーニュ,Gros F&S;マールで美味いと思ったのは初めて!
◎95 バアン・オー・ブリオン(ハーフ);甘く熟したカシス香,香り高く飲み頃
○02 ソーヴィニョン・ブラン,ホークス・ベイ,Schubert(ニュージーランド);上品
○02 シャルドネ,ホークス・ベイ,Schubert(ニュージーランド);酸がやや緩い
◎02 ランコニュ,Kusuda(ニュージーランド);香りはイチゴミルクキャンデー,味はシラー,面白い
○01 ストーンカッター,ピノ(ニュージーランド);南国のパワフル・ピノ
◎01 カベルネ,ホークス・ベイ,Schubert(ニュージーランド);野生カシスの凝縮,凄い果実味
○02 ピノ・ノワール,Kusuda(ニュージーランド);Ponsotを思わせる自然体,03に期待
◎99 モレ・サン・ドニ,Lecheneaut;安くて美味いブルゴーニュ,残るはこの造り手のみ
○02 シャッサーニュ・モンラッシェ,フランシュモン,Verget;完熟だが樽が出過ぎ?
○00 プピーユ(カスティヨン);果実が凝縮しているが,ちょっと無理な造り?高い
○02 トレヴァー・ジョーンズ,ヴァージン・シャルドネ(オーストラリア);安心して飲める良さ
○00 シャトー・サント・コロンブ;滑らか美味な2000年
◎00 レイニャック,スペシャル・キュヴェ;凄いポテンシャル,まだまだ眠っている
◎98 プピーユ(カスティヨン);一時閉じたが再び開いた,バランスいいメルロー
◎86 シャトー・レオヴィル・ポワフェレ;熟成のプラトー,果実主体の優しい味
◎86 シャトー・モンローズ;サンテステフ独特のチ−ズ香も出て面白い,やや軽いが美味
◎64 シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト;64って意外と悪くないんじゃない?ヘタらない
○02 勝沼甲州樽醸造,勝沼醸造;樽が強すぎと思ったが劣化せず,意外と長熟?
☆88 サロン(マグナム);やはりシャンパーニュはマグナムが理想(ベスト2)
○02 ACブルゴーニュ,La Gibryotte;話題のDugatネゴシアンもの.樽香つけ過ぎ
○02 ピノ・ノワール,Kusuda(ニュージーランド);線が細いがヘタらず
◎98 エル・ピソン,Artadi(リオハ);濃いが滑らか,上品に凝縮
◎00 テスタマッタ(トスカーナ);乳酸やキャラメル香,凝縮した果実
○00 ペビー・フォジェール;果実多くポテンシャルあるが,今は閉じている時期
◎00 トルブレック,ザ・ファクター(オーストラリア);甘いタンニン,上質なシラーズ
○95 ムルソー,J.F.Coche-Dury;まあ,予想通りの出来ですね,やや香り弱め

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