漆原啓子(うるしばら けいこ,ヴァイオリン)

 3歳よりピアノ,6歳よりヴァイオリンを始める。西岡育子,阿部靖,東儀祐二,鷲見三郎,海野義雄,堀正文の各氏に師事。
 1981年,ヴィエニアフスキ国際コンクールに於いて,最年少18歳で日本人初の第一位優勝,併せて6つの副賞も獲得する。82年,東京芸術大学入学と同時に本格的演奏活動を開始,この年ポーランドへ招かれ演奏会,テレビ出演を行い大成功をおさめる。85年には「プラハの春」国際音楽祭に招かれ,スロヴァキア・フィルとの協演の他,リサイタルを行う。86年,前年結成した“ハレー・ストリング・クァルテット”が第21回民音コンクール室内楽部門で優勝並びに斉藤秀雄賞を受賞。87年,ドイツ各地への演奏旅行を行い,91年には日フィルのヨーロッパ公演のソリストに抜擢され絶賛を博した。
 ソリストとしてのみならず,ヤン・パネンカ,ヨーヨー・マとの共演の他,上村昇,迫昭嘉とのピアノ・トリオ,ハレー・ストリング・クァルテットなどでも活躍している。
 レコーディンクに於いても,ソロ・アルバムは5枚を数え,93年1月のヤン・パネンカの共演を得たブラームスのソナタ集は「音楽の友」特選盤,「レコード芸術」準推薦盤に選ばれ,9月にはヴィニアフスキのソロと,実妹の朝子氏とのデュオが組み合わされた「ポロネーズ・ブリランテ」がリリースされ,好評を得ている。
 94年,サンクトペテルブルク交響楽団(A. ドミトリエフ指揮)日本公演のソリストとして、各地で好評を博す。95年,ヤン・パネンカ氏とデュオ・コンサートツアーを全国的に行う。96年,トヨタ・クラシックによるアジア・ツアー・ソリストとして,大阪センチュリー交響楽団と諸各国をまわり,絶賛を博す。99年3月,ウィーン放送交響楽団(H. シフ指揮),9月にフランス国立トゥールーズ室内管弦楽団の日本公演のソリストとして共演。
 これまでにV. スピヴァコフ,E. ルカーチ,J. ビエロフラーヴェク,F. ライトナー等の指揮で,モスクワ・ヴィルトーゾ室内オーケストラ,ハンガリー国立交響楽団,スロヴァキア・フィル等と,国内ではN響定期を始め,各オーケストラと共演を重ねている。(2000年2月現在)

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